ボク、妻、友人のI君、柔道部のI君とで魚介類がメインの店のコースを頼んだところ、前菜の次に出てきたのは船盛にされた立派な鯛の活け造りであった。口をぱくぱくしている。
店員「活け造りですので、鯛にかまれないようにご注意ください」
このメンバーでこの店員の発言を聞いたら、当然それはダチョウ倶楽部的前振りであると解釈しても仕方ないところがある。
ボク「(友人の)I、ほんと噛まれたりするなよ、ほんと噛まれるなよ!」
友人のI君「まさか噛まれるわけないよ・・・」
といいつつ、彼が鯛の口に指を近づけた。
2.3回口をパクパクさせた後、鯛ががぶりとI君の指に噛み付いた、その2秒後、「(鯛が空を飛び)スポーーーン!」
噛まれたことにびっくりした友人のI君が無言で思いっきり腕を引き、一口も食べてないのに空を舞う鯛!
ひっくり返る船!!
飛び散る刺身のツマ!!!
事態が飲み込めず固まったボクの妻!!!!
すんでのところで飛んでくる鯛をかわす柔道部のI君!!!!!
飛んでいった鯛は後ろの壁に激突した後、床に落ちた。店は一瞬静まりかえるぅぅぅぅぅ!!!!
柔道部のI君はさらに何か友人のI君がしでかすと警戒し、二次被害を避けるため席を立ちボクの側へ避難する。あまりの状況に店員も飛んできた。
店員「大丈夫ですか?これが最後の鯛でしたので・・・」
いやほんと、こちらが申し訳ございませんとしか言いようが無い。不幸中の幸いか、飛んでいったのは鯛の顔とアラの方であり、うまいこと刺身の方は船から振り落とされなかったため全部食べることが出来た。実際すげえうまい。
飛んでいったアラと頭も調理場で洗われ、煮付けとフライとしてコースの後半にまた現れることにより、食材は無駄にならずにすんだ。
まあいろいろつっこみどころは満載であるが、重要ポイントとしては、1なんで噛まれてから反応するまで2秒ぐらいかかっているのか(お前は恐竜か)2リアクションは予定調和の範囲内でお願いします(誰も鯛が飛ぶとは予想できません)3店員が噛まれた指を消毒してくださいと持ってきたスプレーがどう見てもまな板消毒用で、しかもその消毒を甘んじて受ける友人のI君等があげられるであろう。
いや確かに、I君に振ったボクも悪い。ただ、言い訳させてほしい。誰があれほどのリアクションを予想できるであろうか。笑いとしてはちょっと噛まれて「いたたたたた・・・」ぐらいで充分じゃないか。
笑いの神に愛される男、友人のI君。二度と彼に活け造りをすすめることはないであろう。
鯛類ってエビとか貝とか食べるでしょう。顎の力も相当なものです。